日本建設工業は、わが国で原子力発電プラントの建設が始まった黎明期から、その建設に参画してきました。そして、原子力分野における建設工事会社のパイオニアとして、電力の安定供給を目指し、全国各地に次々と建設された原子力発電プラントの建設工事計画・施工を担当してきました。さらに、稼働後も保守点検、大規模改造工事の計画・施工を任されてきました。
このようにして当社は、長年にわたり原子力発電プラント工事の豊富な経験と実績を積み重ね、その中で培ってきた様々な技術やノウハウ、施工管理能力、保守対応力は顧客から高く評価され、揺るぎない信頼を得ています。
東日本大震災後、原子力発電プラントの運転が停止するなど原子力発電をめぐる情勢は流動的ではあるものの、現在、多くのプラントで再稼働に向けた対応工事が実施されています。一方、耐用年数などから停止措置(廃炉)が決定されたプラントもあります。当社は、電力の安定供給という使命を担う一工事会社として、これからも国や事業者の要望に基づき原子力発電プラントを支えるとともに、廃炉工事への参画も含め、社会的役割を果たしていきます。
この容器は、原子炉圧力容器や蒸気発生器などの原子力発電所の心臓部を収納しています。放射性物質の周辺への拡散を抑える重要な役割を担っているだけに高い気密性と耐圧性が求められます。当社はこれまで20基の建設を手がけており、これは日本有数の実績です。
原子炉格納容器に収納される原子炉圧力容器や蒸気発生器などの主要機器の据付工事、それらにつながる配管工事などの計画・施工を行っています。原子力発電プラントの工事には厳格なルールが定められており、施工の品質はもとより、施工管理にも高い能力が求められます。
蒸気発生器から送られてきた蒸気は、発電機を回す蒸気タービンに送られます。当社は、加圧水型原子炉において容量579MW~1,180MWまで計10基の蒸気タービン及び付属設備の据付実績を有し、この経験をもとに保守点検業務も担当しています。
ウラン資源の利用効率を飛躍的に高める高速増殖炉や、原子力発電所の使用済燃料を再処理し、再び燃料としてリサイクルするための再処理施設(青森県六ヶ所村)、核融合関連技術を中心とする研究開発施設の建設工事計画・施工に携わり、大きな信頼を得ています。
現在、運転を停止している原子力発電所では、原子炉等規制法の新規制基準(2013.7.8施行)に適合させるべく、さまざまな安全対策工事が行われています。例えば、自然現象に対する対策強化として竜巻対策工事や重大事故対策しての特定重大事故等対処施設(テロ対策施設)の設置やプラントの電源確保のための発電設備の新設及び冷却系配管の追加工事などで、当社も各原子力発電所の作業所が中心となり対応工事を進めています。
2014年9月に原子力規制委員会から安全審査合格第1号となった鹿児島県・川内原子力発電所では、当社も追加設備の設置工事等を着々と進め、早期の再稼働をサポートしました。
エネルギー基本計画では、「資源の有効利用」「高レベル放射性廃棄物の減容化・有害度の低減」などの観点から、使用済燃料を再処理し、回収されるプルトニウムなどを有効利用する原子燃料サイクルの推進を基本的方針としています。
核燃料サイクルは、六ヶ所再処理工場の竣工遅延やもんじゅの廃止措置への移行決定等多くの課題があります。このような現状を真摯に受け止め、事業を安全に進めて行くためにひとつひとつの課題を解決することが重要です。当社は現在、お客様とともに六ヶ所再処理工場の竣工及びMOX燃料加工工場の建設に積極的に取り組んでいます。当社が今まで国内において確かな実績を築き、元請メーカーとの強い信頼関係があればこそこれらの課題を解決することができるものといえます。